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業務改善の考える力③|現場の時間短縮テクニック4選|1秒の積み重ねが職場のゆとりを生む話

「あれ、また引き出し開け閉めしてる…。」

1日に何回、引き出しを開け閉めしていますか?

ペン1本、ホッチキス1個、印鑑1つ。必要になるたびに、引き出しを開けて、また閉める。1回にかかる時間は、たった2〜3秒です。でも、これが1日に何十回、何百回と積み重なります。気づけば、毎日かなりの時間を「引き出しの開け閉め」だけに使っている。

こんにちは、おかもち(48歳)です。
いろんな現場で20年。製造業の生産管理と営業を兼ねながら、現場の「モヤモヤ」を改善するヒントを発信しています。

前回の考える力編②では「空間の工夫(小さな不満)」、その前の編①では「変えられること」についてお話ししました。今日のテーマは ── 時間です。

この記事を読めば、職場で無意識に失っている「1秒のロス」に気づき、現場のゆとりを生む視点が手に入ります。
なぜなら、私自身が4つの小さなテクニックで、現場の時間を取り戻してきた経験があるから。引き出し・回覧板・書類のトントン・書類棚の一覧表 ── 4つの時間短縮テクニックを通して、考える力の次の一歩を一緒に見ていきましょう。

「1秒のロス」を見過ごすクセ

引き出しの開け閉めに、誰も注意を払いません。当たり前すぎて、誰も「これってムダ?」とは考えない。私自身、長い間そう思っていました。

でも、ある時、計算してみたんです。

1回の開け閉めが2〜3秒。1日にざっと30回。それだけで90秒、つまり1分半。1ヶ月20日働いたら、30分。年間で6時間です。

たった「引き出しの開け閉め」だけで、年6時間。

数字にしてみると、無視できない量です。これが「定型化できる仕事を、さらに短縮する」考え方の入口になりました。

1秒は、たかが1秒。でも、何百回も繰り返すと、それは確かな「時間の損失」になります。

テクニック1:引き出しを使わない「プチ文房具棚」

私は基本的に、引き出しを使いません。

そう言うと驚かれるんですが、本当です。引き出しを開け閉めする時間がもったいないからです。

その代わり、右手のすぐ届く位置に「プチ文房具棚」を置いています。自作の小さな棚です。そこに、よく使う文房具を全部並べてあります。ペン、ホッチキス、印鑑、付箋、定規、はさみ。

ポイントは、「見ればすぐ取れる位置」に配置すること。

ペンが欲しい時は、引き出しを開けません。右手をスッと伸ばすだけ。視線を落とせば、もうそこにある。掴んで使う。終わったら、また同じ場所に戻す。

これだけのことで、1日に何度も引き出しを開け閉めする必要がなくなりました。

引き出しの開け閉めだけで、毎日積もる「数十秒」が消えたのです。

「たった数秒」と思うかもしれません。でも、その数秒は、思考の中断時間でもあります。引き出しを開ける動作で、頭の中の作業が一瞬止まる。これが何度も繰り返されると、集中力もすり減っていきます。

テクニック2:回覧板で部署横断 ── 走り回らない連絡

次は、連絡の話です。

部署をまたいで連絡が必要な時、よくあるのが「全員に直接伝えに行く」というやり方。広い現場だと、これだけで何十分も走り回ることになります。

そこで私が使うのは、回覧板です。

連絡事項を1枚の用紙にまとめて、回覧板に挟む。そして、必ず印鑑欄を設けます。受け取った人が印鑑を押すことで、「ちゃんと目を通した」ことが見える化される仕組みです。

これで何が変わったか。

一人ひとりに伝える時間が、ぐっと短縮されました。広い現場を何往復もする必要がなくなる。そして、誰が読んで、誰がまだ読んでいないかも、印鑑欄を見ればすぐ分かります。

走り回らずに、「目を通したか」が見える化される

もちろん、緊急の連絡や重要な指示には直接話す方がいい場面もあります。でも、「全員に伝わればいい」レベルの連絡なら、回覧板の方が圧倒的に効率的です。

テクニック3:書類を「トン1回」で揃える

ちょっと変わった話をします。

書類の束を揃える時、トントンとテーブルに打ち付けて整える動作、ありますよね。あれ、ほとんどの人が「トントン」と2回しています。

でも、よく観察すると、実は1回でほぼ揃っているんです。

「トン」── これでほぼ綺麗に整っています。なのに、もう1回「トン」と打つ。そのもう1回が、習慣になっている。

私はこれを「トン1回」に変えました。

たった0.5秒の節約。本当に小さな話です。でも、1日に何十回、何百回と書類を揃える現場だと、これが効いてきます。

トン1回でほぼ揃う ── 0.5秒の積み重ねが、現場のリズムを変える

この話をすると、たまに笑われます。「そんなレベル?」と。でも、笑える話だからこそ、誰も気にしていない領域なんです。誰も気にしていないからこそ、改善のネタが眠っている。

テクニック4:書類棚に「中身一覧表」を貼る

最後のテクニックは、書類棚の話です。

毎日使う資料は、手元の引き出し代わりのプチ文房具棚で十分。でも、取引関連資料など、今すぐは必要ない、たまに使う資料は、会社の書類棚に収納します。

問題は、「たまに使う」ということ。

たまにしか使わないから、どこに仕舞ったかを忘れがちです。「あれ、この資料どこだっけ」と、棚をあちこち開けて回る。これが意外と時間を取られる。

特に厄介なのが、中身の見えない扉付きの棚です。開けてみないと、何が入っているか分からない。

そこで私は、扉の前に「中に何が入っているか」の一覧表を貼っています。

「A棚:〇〇社の契約書(2020〜2023)、△△社の見積もり控え(2022〜)」── こんな感じで。

これだけで、扉を開ける前に中身が分かります。目的の資料がない棚を開ける、というムダな動作がなくなる。

探す手間が、消える ── たった一枚の一覧表で

1秒の複利効果

ここまで紹介してきた4つのテクニックは、どれも本当に小さなものです。1回あたり、せいぜい数秒の節約。

でも、計算してみてください。

1回2秒の動作が、1日に30回。これだけで、1日60秒、1ヶ月20分。年間で4時間です。それが10人の現場なら、年間40時間。100人の規模なら、年間400時間です。

そして、これが「引き出しの開け閉め」だけの話。回覧板、書類のトントン、書類棚の一覧表 ── 全部足し合わせると、相当な時間になります。

1人の1秒は、100人なら100秒になる

「秒」を意識すると、複利のように効いてくるんです。

流れを止めない・戻さない・詰まらせない

4つのテクニックには、共通する考え方があります。

それは ── 「流れ」を整えること。

  • 引き出しを開ける = 流れを止める
  • 走って伝えに行く = 流れを戻す
  • 書類を探す = 流れを詰まらせる

この3つの視点で自分の動きを見直すと、「ここに1秒のロスがある」「ここで流れが止まっている」が見えてきます。

大改革は要りません。流れを止めない・戻さない・詰まらせない。この3つを意識するだけで、考える力は時間軸でも動き始めます。

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次回から、考える力編④へ

シリーズ次章「考える力編④」では、「作業をなくす・減らす視点」をテーマに書いていきます。

今日の話が「速く動く工夫」だとすれば、次回は「そもそも、その作業は必要?」という問い直し。
引き続き、お付き合いいただけたら嬉しいです。

「これ、本当に毎日やる必要ある?」と問い直す

最後に、おかもちの本音を一つ。

定型化できる仕事ばかりじゃありません。
だからこそ、定型化できる仕事を、さらに短縮すると、楽になるはずです。

今日、あなたが何度も繰り返している動作は、何ですか?
その動作に、1秒のロスは隠れていませんか?

引き出し1つ、書類1枚、印鑑1つ。
小さな動作を見直すだけで、現場のゆとりは確かに変わります。

今日も、机の上から。
そして、半径1m以内から、1秒から。

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