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改善提案が通らない理由|現場20年で学んだ5つの根回し術

「いい改善提案を出したのに、また却下された…」

そう感じたこと、ありませんか?

実は私も、若い頃は何度も経験しました。「現場のためになる提案」のつもりが、「お前にそんなこと言われたくない」「余計なお世話だ」と返される。内容は間違っていないのに、なぜか通らない。

そのとき、ある先輩に言われた言葉がきっかけで、私の改善提案は通り始めました。

「改善提案は、内容じゃない。“出す前”で勝負は決まる

──そうなんです。たいていの場合、却下される理由は内容じゃない。根回しの不足なんです。

こんにちは、おかもちです。製造業で生産管理+営業を兼務する、岡山在住・アラフィフ会社員です。今日は、私が現場20年で身につけた「通ることが約束された改善提案」の作り方──5つの根回しステップを紹介します。

※前回の記事(会社への要望ネタ|4つの型)で「伝え方」を、前々回(ChatGPTで改善提案ネタを10個作る方法)で「ネタ出し」を扱いました。今回は完結編、「通す技術」です。

なぜ「いい改善提案」でも、通らないことがあるのか?

提案の中身は正しい。データもある。コストも抑えてある。
でも──通らない。

理由はシンプルです。改善提案は、上司ひとりの判断で動くものではないからです。

  • 関係する別部署の理解
  • 道具や予算の手配
  • 手伝ってくれる人の確保
  • 既存ルールとの調整

これらが揃って初めて、提案は実行に移されます。そして、これらを「事前に整えておく行為」が、根回しです。

根回しと聞くと「卑怯」「裏工作」のように響くかもしれません。でも実態は、組織を動かすために必要な準備作業です。

通ることが約束された改善提案 ── 5つの根回しステップ

私が実践している5つのステップを紹介します。シンプルですが、これを全部やってから提案を出すと、通る確率は劇的に上がります。

ステップ① アイデアを関係各所に伝えておく

提案書を書く前に、関係しそうな人にアイデアを話します。「実はこういうことを考えているんだけど、どう思います?」と、雑談ベースで。

このとき大事なのは、「最終案ではなく、相談として話す」こと。意見を求める姿勢で話すと、相手は「自分も関わっている」感覚を持ち、後で味方になってくれます。

ステップ② 改善することへの「許可」をとっておく

次に、決定権を持つ上司に「やってもいいですか?」と先に許可をとります。正式な提案書を出す前に。

これは超大事です。上司にとって、「正式提案で初めて知る」のと「事前に相談を受けていた」のとでは、心理的なハードルが全然違います。事前に話を聞いていれば、上司は「自分も納得していたこと」として承認しやすくなります。

ステップ③ 必要な道具・予算を確認しておく

「これをやるには、道具がいくら必要か」「既存の備品で代用できるか」を、提案を出す前に調べておきます。

なぜなら、提案書に「予算◯◯円必要」と書いて出すと、その時点で「予算審議」のフェーズに入ってしまうから。「ほぼ既存の備品でできます」「追加で◯◯円だけです」と伝えられれば、承認のハードルはぐっと下がります。

ステップ④ 手伝ってくれる人に声をかけておく

改善提案は、自分一人で実行できることばかりではありません。「これ手伝ってもらえる?」と、事前に何人かに声をかけておきます。

そして、「◯◯さんも手伝ってくれることになっています」と提案書に書ければ、上司は「実行可能」と判断しやすくなります。

ステップ⑤ ネゴシエーションが終わってから、正式に提案を出す

①〜④を全部終えてから、初めて正式な提案書を書きます。

このとき、提案書には「関係者と話済み」「上司に相談済み」「道具・予算の見通し済み」「手伝う人も確保済み」と書かれている状態。

ここまで揃っていれば、上司は「ハンコを押すだけ」の状態になります。これが、「通ることが約束された改善提案」の正体です。

実例で見てみよう ── 「道具箱が荒れている」を見える化する

実例で説明します。私が実際にやった改善です。

問題

現場の道具箱の中身が、ぐちゃぐちゃに積み重なっていました。工具が取り出しにくく、片付けにも時間がかかる。誰も「自分の責任」と思っていない状態でした。

改善案

道具箱の中身を全部出して、壁掛けの収納にする。すべての道具が「見える」状態にし、定位置を作る。

5つの根回しステップで進めた

ステップ①:関係各所への根回し
朝礼の前後で、現場の同僚と立ち話。「道具箱、毎回ぐちゃぐちゃですよね。壁掛けにしませんか?」と話を振る。何人かが「いいね」と賛同してくれる。

ステップ②:上司への許可
「道具箱を壁掛け収納に変えたいんですが、やってもいいですか?」と先に相談。「予算かかるの?」と聞かれたら、「ほとんど既存の材料でやれます」と即答できる準備をしておく。

ステップ③:道具・予算の確認
壁掛けに使えるフックやプレートを、社内の余り物で代用できるか確認。新規で必要なら、最低限のコスト見積もりを出しておく。

ステップ④:手伝ってくれる人への声かけ
「土曜の出勤日、1時間だけ手伝ってもらえる?」と数人に声をかけ、了承を得る。

ステップ⑤:正式に提案を出す
①〜④を全部済ませてから、提案書を提出。「関係者の同意あり」「上司の許可あり」「予算ほぼゼロ」「手伝う人確保済み」の状態。

→ 提案は、その日のうちに承認されました。

Before / After

項目 Before After
道具の状態 道具箱の中でぐちゃぐちゃ 壁掛けで全て見える状態
取り出し 上を避けて下から抜く 1秒で取れる
片付け 戻す場所が決まらず雑に 定位置に戻すだけ
責任の所在 誰も持たない 定位置=管理者が明確

5つを飛ばすと、何が起きるか? ── 私の失敗談

逆に、私自身が「根回しを飛ばして失敗した」例も話します。

若い頃、私は「現場のために」と意気込んで、自分の管轄外の倉庫共有部分の改善を、いきなり提案書で出したことがあります。「これを改善したら、みんな楽になる」と本気で思っていました。内容も、論理的には正しかったはずです。

でも──結果は、却下。それも、関係部署からの強い反発付きで。

そのとき言われたのが、こんな言葉でした。

「自分の管轄じゃないところに、勝手に手を出すな」
「相談もなく、いきなり提案書で出されると、こっちの仕事を奪うように見える」

──そう。他部署からすれば、根回しなしの提案は「余計なお世話」だったんです。

内容が正しくても、関係者を巻き込まずに進めると、組織の中では「縄張り侵入」と受け取られる。これが、根回しを飛ばすと起きる最大のリスクです。

特に注意したいのが、自分の管轄外の領域に踏み込む改善提案。ここは、根回しを丁寧に丁寧にやらないと、絶対に通りません。

根回しは「卑怯」じゃない ── 組織を動かす正しい技術

ここまで読んで、「結局根回しか…」と感じた方もいるかもしれません。

でも、私は声を大にして言いたい。根回しは卑怯じゃない

組織で何かを動かすには、関係者を巻き込む必要があります。そして、関係者を巻き込むには、事前に話し、相談し、合意を作る作業が必要です。これが、根回しの正体です。

世界的名著『7つの習慣』の中に、「Win-Win」という考え方があります。自分も勝ち、相手も勝つ。組織全体がより良くなる。

根回しは、まさにこれを実現するための技術です。「自分の意見を通すため」ではなく、「組織全体が良くなる方向で合意を作るため」の対話。
そう捉え直すと、根回しは前向きで、誠実な行為だとわかります。

まとめ:今日から使える3つの心がけ

5つのステップを全部いきなり実践するのは、ハードルが高いかもしれません。
だから、まずは3つの心がけから始めてみてください。

心がけ① 出す前に話す

提案書を書く前に、まず関係者と雑談。たった1回の立ち話で、却下率は劇的に下がります。

心がけ② 1人で抱え込まない

「自分の責任で全部やる」じゃなくていい。1人で抱え込まない。手伝ってくれる人を最初に確保するのが、組織を動かすコツです。

心がけ③ 採用を目的にする

自分の意見を主張することが目的じゃありません。現場が良くなることが目的。だから、根回しは恥ずかしいことじゃない、むしろ誠実な行為です。

主体性とWin-Winを深めたい人へ

根回しの土台にある「Win-Win」と「主体性」を、もっと深く学びたい方は『7つの習慣』が決定版です。20代から70代まで、世界中の人が読んでいる名著で、私自身も現場で迷ったときに何度も開き直しています。

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関係者との会話メモを残しておく

5つのステップを進めるなかで「あの人がこう言っていた」「ここで合意した」を、私はPlaud(プラウド)で音声録音して残しています。後で提案書にまとめるとき、生の会話のニュアンスがそのまま使える。これが、根回しの精度を上げる秘密兵器です。

最後に

このブログのMissionは「不満を溜めず、満足を積み上げる」です。

改善提案が却下されるたびに、現場のモヤモヤは増えます。でも、根回しを丁寧にすれば、提案は通り、現場は少しずつ良くなる。小さな成功体験が積み重なって、「自ら動き、支え合う前向きな職場」が生まれます。

明日、何か一つだけでも、提案を出す前に「関係する誰かに話してみる」ことから始めてください。それが、5つの根回しの第一歩です。

今日もここまでお読みいただき、ありがとうございました。おかもちでした。

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